コペルニクス的転回
挨拶ができる人間でありたいと思っている。
この学生マンションのロビーに構えられた複数人掛けのソファでくつろいでいる学生を僕以外見たことがない。玄関に面するから丸見え(共同だからなんだけど)だからだ。
今日も寝転がってブックオフで買った論語を読んでいた。すると、一人のメガネをかけた男子学生がソファのとなりのポストボックスの中をロックを解除して見ていた。
挨拶をした。
見向きもされず無視されてしまった。
少しムカっとするわけだが、そんなこと論語の前に恥ずかしくなって三省するわけだ。ふと、この自分がおかしいことに気づいた。つまり人の目に付く場所でくつろいでいる自分、しかも誰も使わないから目立つ場所だ。そんな人間に人は話しかけづらいし、そんな道徳もわきまえない奴に話しかけたくもないだろう。
もちろん今の時代の挨拶のできなさのせいにもできるのだが、それにしても自分が悪いと思ったのである。