童貞には恋が多い
一人暮らしの朝はめっきり弱い。特に休日ともなると。しかし8時に起き、食堂でメシを食う。眠気が再発しないようにコーヒーを飲んで読書をする。最近は中国史、専ら三国志が面白い。
ウトウトし始め時計をみると、12時だ。ちょうどいい、昼ごはんを食べに行こうと思った。金欠だ、昨日と同じ牛丼を食べる。
最近、中国史にハマっている。というのもキングダムを読んだからだ。牛丼屋の近くにブックオフがある。
いやぁ、始皇帝が住民に檄を飛ばすシーンいいんだよなぁ、、と立ち読みしながら思っていると、隣に女性が来た。同い年ぐらいだ、キングダムを読むらしい。
ここまでで読者はきっと、この童貞この人を好きになるんだな、と嘲笑っているだろうが、舐めてもらっちゃ困る。僕も大学生だ、そんなこと許されるのは中学生までだ。
やはり始皇帝に目は戻る。戻るって言っちゃった、、、
20分経った。
完全にオカシイと思った。
この女めっちゃキングダム読んでるやん、、、!長くねぇ!?と、
いや待て、冷静になれ、俺は三国志も買って、史記すらも買った漢だぞ!キングダムへの愛は絶対俺の方が強いはずだ、、、だけどちょっと足が痺れてきたぞ、いやでも負けたくねぇな
40分ほど経ったとき、なんだか楽しく?なってきてしまった。キングダム好きな女の子っているんだぁー、ふーん、と。するとキングダムをよそになんだかその人が気になってくるのである。もちろん長編漫画とはいえ棚の一隅、数十センチの距離だ。こんなこと考えるなんて童貞だなぁ、と思いつつ、今までもこんなチャンスがありながらうしうじして、取り逃がした過去を思い出した。そこそこ良い大学だ。通ってる所は。
しかしなんだか悲しくなった。僕は今まで、かつ今も何をやっているのだろうと!もう決めた!話しかけてやる。さらばだ過去の自分!俺はお前と決別してやる!!
決別できなかった。話しかけられなかった、、結局こんなことしかなかった。だから童貞なんだ。童貞は業だ。カルマすぎる。だって世界の半分の人と話せないんだ。それどころかもう半分ともまともに話せないけど。
これを書いてて胸が苦しくなってきてしまった。もうちょっとポップなこと書きたかったんだけどなぁ